ストラディバリウスやガルネリなどのバイオリンの設計はどのように行われたのだろうか。聞くところによると、ストラディバリはたくさんの弟子を持っていたので、少しずつ形状の違うバイオリンを弟子達に作らせ、比較検討を行ったそうだ。現代では、コンピュータを使って形状を少しずつ変化させ、音響を調べ、最適化を行うのがよさそうだ。ストラディバリはこれを人手で行ったということだ。気の遠くなりそうな話しだ。
自分もバイオリンやチェロの製作を行っているが、いきなり唐突に設計をして試作をしたりはしない。製作にはかなりの時間がかかるので、変な楽器を作ると時間と労力が無駄になってしまう。よい楽器とされているオールドバイオリンやオールドチェロを参考にする。基本的には模倣をする。音を改良したいときはCバウツのあたりを少しだけ変えたりはする。経験的には、形状うんぬんよりも、材料がよいかどうか、工作が上手にできたかどうかのほうがまず重要である。